キューバ人、お金はあればあるだけ使っちゃう問題
人間というのは不思議なもので、あからさまに「ごちそうして!」と言われるのは嫌だけど、なにも言わない人には、「なにか飲む?」と聞きたくなる。
でも全員にごちそうするのは無理なので、自分なりに基準を決めた。キューバでごちそうする人は、自分がお友達と認めた人だけ。さらに音楽やダンスなど、なにか秀でた才能を持っている人に限定することにした。そうじゃないと、本当にキリがないので!
キューバでは、外国人が一人いれば、その人が全部払うと思われてもしかたがないところがある。
ある夜ハバナのクラブに入ったら、エントランス5CUCのところ、
「ちょっと、25CUC払って。」
と止められた。後から来たキューバ人4人組が、
「彼女(私)が払います。」
と言って、先に入ってしまったとのこと。なんだそれ!!!それ信じたの?!
誤解は解けたけど、外国人が一人いればそう思うのか、とさとった瞬間だった。
でも驚いたことに、その入ったクラブで、「飲み物をごちそうするよ。」と言うキューバ人がいたのだ!
最初、私に「ごちそうしてよ。」と言ってるのかと思った。そんなことは、言われ慣れてたし。まさか、キューバ人が私になにかを買ってくれる日がくるなんて!
別の日は、バラを買ってプレゼントしてくれたキューバ人がいた(まったく知らない人)。
もしかして、キューバの変化は思ったより早いのかもしれない。
毎回私がごちそうしていたミュージシャンは、1年以上たったある日、
「今日はおごるよ、ギャラが入ったから。」
と言って、飲み物を買ってくれた。
「お金を払ってくれたの初めてだね!うれしいよ!」
と私。
「いくら入ったの?」
「○○CUC」
「・・そうなんだ。よかったね。」
日本人にとっては、とっても安い金額。それでおごらせるのはどうかと思ったけど、せっかくの好意なので、甘えることにする。
でもなにより私が驚いたのは、「その金額しか持ってないのに、それを使い切れる」ということなのだ!
これはこの人に限ったことじゃない。今まで見てきたキューバ人、どういうわけか、宵越しの金は持たない江戸っ子みたいな人ばかり。
お金が入ったらすぐに使っちゃう。お金がないことが当たり前なせいか、生活が苦しいということもあるのか、両方か、よくわかんないが、とにかくあればあるだけ使う。貯金なんて考えない。
全財産10CUC(約1100円)しかないのに、その中から1CUCを払って髪を切ってきた人には驚いた。食べ物買うお金もないのに、明日をもしれないのに、髪を切る?それも男性が??別の男性は、お金が入ったとたん、エクステンションを購入していて、ドレットにしてきた。
自分だったら、髪なんか切らなくても、死にはしないし、お金を少しでも残しておこうと思うと思う。もうこれは完全に、国民性、金銭感覚の違いというものだな、と感動してしまった。私たちが、いかにお金を残すことにこだわっているかが、よくわかる。
☆ちなみにキューバ人は男女共、見た目にとてもこだわります。お金がないといいながら、マニキュアしたり、おしゃれな服を着たり、なんだかんだとにかくキレイ。
これがキューバ人、あればあるだけお金使っちゃう問題。もちろん人によるから、貯金できる人もいると思う。でも今のところ、キューバ人と仲良くしている日本人たちに、
「なんかあればあるだけ、お金使っちゃわない?全然残らないよね。」
と聞くと、みんな、
「そうなのよ~。」
と言っていた。貯金が趣味みたいなキューバ人には、まだ出会ったことがない。