キューバのコロナ対策が、すごく社会主義だと思った件 2020年6月

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キューバから聞こえてきた情報を、少しだけ書きたいと思います。

まずキューバは、早い段階でコロナ対策を打ち、3月中旬からライブハウスなどは閉鎖、ミュージシャンたちも活動できなくなっています。もう3ヵ月仕事なし。本当に困ります・・。
3月末には、すでに外国人が外出できなくなっていました。今も外国人は、入国できません。

またキューバは、他の国に薬を送ったり、医者を派遣したりもしています。

なんで今、これを書いているのかというと、キューバのコロナ対策が、すごく社会主義だなと思ったから。すべて、国が主導で動いています。そのため、決断がすごく早く感じられます。

キューバ人とは、ほぼ毎日連絡を取っていますが、最初、外をうろうろしているだけで、警察に家に帰るようにうながされていたようです(ハバナ)。そして、なにより驚いたのは、今この段階でも、どうやら公共機関を動かしていないようなのです(自家用車は不明)!
最初、おおげさなんじゃないの?!と思っていたのですが、ハバナ郊外に住む人も、
「バスが動いてないから、2か月以上どこにも出られないの。」
と言っていて、本当なんだとわかりました(疑ってごめんね)。この人は、隔離地域に指定されたエリア(Vedad)にも家を持っていて、もうずっと自分の家に帰れていません。
ま、でもよく考えると、キューバのバスは、スーパー3密なので、キューバ政府の対策も、しかたないかもしれません。

先日、濃厚接触者として、知り合い(陰性)が隔離されました。それも自宅隔離ではなく、離れた施設(アパートみたいなところ)に、数人まとめて隔離でした。彼の友人がコロナの陽性になったのですが、その人が50人くらい(?!)それまでに会った人(話をした人)の名前を挙げたので、おそらく、その人たち全員が隔離対象になったようです。なかには自宅隔離の人もいたかもですが、かなりの確率で、別の場所で隔離した可能性があります。一日数人しか陽性患者が出ていないので、できたことかもしれません。

私の意見ですが、自宅隔離だと、うろうろする奴が出ると思うので(笑)、強制隔離されたんでは?と思います。おしゃべり好き、家族大好きなキューバ人が、家でおとなしくしてるとは思えない。それに家族にうつす可能性もありますし。

隔離場所で、2週間隔離されたあと、陰性だったので、彼は家に帰れました。行きも帰りも家まで送迎されたそうです。その後も毎日、家まで看護師さんが来て、熱を測ったり、変化がないかチェックして、数日後に終了しました。

当たり前ですが、社会主義なので、これらすべてが無料なはずです。アメリカでコロナの医療費請求書の額がすごかったという話がありましたが、国によって、差がありすぎ。
正直、社会主義がいいかどうかは、わかりません。個人的にはいいとは思えないこともある。でもこうした非常時に、最低限の食べ物や医療が、最低限保障されているのは、精神的に大きいように思います。

あと日常的に不便なので、いろんなことに慣れてることもあるかも。そして友達や家族同士助け合ったり、分け合ったり、バスがなかったら歩きます、みたいな、サバイバル精神にあふれたところがすごいと思う。コロナの前から物資や食べ物も少なかったし、人々がタフ。あと、なんだかんだ言ってポジティブ。根拠のない、なんとかなる感(笑)。

国民性もあるのか、そこまで落ち込んでる感じもなく、私のほうが、コロナでどんよりして暗かった時も、
「大丈夫だよ!なんとかなるよ!すぐに終わるよ!」
「君はラッキーなんだよ。食べ物もある。家もある。本もインターネットもあるし、外にも出かけられる。それを忘れないで。リラックスして!なんか家で楽しめることして、音楽かけて、踊って♪」
この励ましがなかったら、この時期乗り切れなかった。感謝しかありません。

キューバは毎日、何人の患者が出て、何人亡くなって、何人回復したか、発表しています。注目は、回復した人数を発表しているところで、だいたい8割の人は回復しています。残りの人たちは亡くなられたか、今も病院にいる人たちで、キューバで亡くなられた人数は、6月14日の時点で84人です。このところは、毎日十数人程度、コロナ陽性だった人が出ています。この数の患者で、交通機関も止めてしまう徹底ぶり。観光で成り立っているところもあるので、どうなるかはわかりませんが、それでも国が主導して、こうです!こうしなさい!ときっぱりはっきりしてるのは、日本と真逆です。よくも悪くも。

そしてついに、そのキューバも、6月下旬から次のフェーズに入りそうだということで、ちょっとうれしいです。でも道はまだ遠そう・・。