DIE WITH ZERO「ゼロで死ね」の感想 いい本!ぜひ読んでみて!
すでに売れていて、読んでる方も多いかと思うのですが、とてもいい本だったので、ご紹介します。
タイトルが、DIE WITH ZERO「ゼロで死ね」なんで、なんか恐ろしい本かと思ったら、まったく違いました。今まで、もやっと思ってたことを、書いてくれた本です。
ちょっと表紙のインパクトありすぎて、引きますが、中身は非常にわかりやすく、翻訳本にありがちな、字詰め詰めではなく、字も大きめで、読みやすいです。
コンセプトは、「人生で一番大切なのは、思い出を作ること。」
若くて、気力体力のある時にお金を使って、お金は使いきってから死のう、というのがテーマ。実際には、ゼロでは死ねません。そして、完全にゼロで死ねともこの作者は言ってない。
不可能だからです。でも限りなく、ゼロに近づけること、老後のためにお金を貯めこんで、時間を無駄にするな、ということが書かれています。
今、人生100年時代とか言ってあおってますが、私は人生100年もないと思っている派です。だって100歳なんて、2人に1人ですよ。自分が到達できるとは思えません。残りの半分になったら、どうするの。
それに、そんなに長生きしても、気力もへったくれもないような気がします(個人差ありますが、自分の場合)。
それより、今のうちに少しずつ、やっておきたいことはやっとくべき。
私のモットーは、「やりたいことは全部やる!」
そしてやりたいことは、なるべく早くやるってこと。お金はかなり減って、自分のやってたことは、間違ってたんじゃないかって、罪悪感とか、不安にも襲われたけど、この本を読んだら、間違ってなかったと思う。
私は60や70歳まで待ちません。今、コロナで海外に出られなくなって思う。今までほんと、バカみたいに旅と踊り三昧しましたが、やっておいてよかったなと思います。
すっごく貧乏な頃から、旅に出てましたが、貧乏なりに、旅のお金だけは、なんとか工面できました。
この本は、間違いなく、先進国に住む、割と豊かな人向けの本です。だから、
「自分には関係ない。毎日生活カツカツだし。」
と言う人がいるのもわかります。作者も成功したアメリカ人であることは間違いありません。しかし、お金がなくても、やりたいこと、若くて元気であるうちにしかできないことは、たくさんあります。
私の場合、家族や親族に、長生きの人が少ないので、若い頃から、自分もいつ死んでもおかしくないと思いながら、生きています。人はいずれ死ぬということから、逆算して、いつ死んでも悔いがないように、人生を生きています。バカみたいに、旅して踊ってるのもそのためです。
家族が病気になって、まず私に言ったのは、
「若いうちに、できる限り遠い国に行きなさい。行けなくなる前に。」
ということでした。私はすぐペルーに行きました。キューバも同じくらい遠いので、今しかないと思って、また行き始めました。
ツアーで、ご年配の方々が、秘境みたいなところにも旅されているので(キューバでもよく見かける)、年取ったら、行けないということはないですが、自分がその時まで元気で、行けるという確証はありません。
というわけで、お金があろうとなかろうと、自分のできる範囲で、人生でやりたいことは、先のばしせず、やっておくべきだと思います。
この本は、お金のある人向けですが、中でも一番心に残ったのは、
「誰かに金を与えるなら、早い方がよい。」
というところ。
なんで死んでから遺産をあげると思いこんでいたんだろう?生きてるうちだったら、もっとお互い楽しめるのにね。特に若い時は、お金が必要。人生の一番いい時期に貧乏って、ほんと、人生の可能性を狭めます。自分もお金がなかったので、よくわかる。あの時お金があったら、もっと楽に生きられたし、もっと違う人生だったと思います。
「生きてるうちに与える」このコンセプトだけでも、読んでほしいです。
スペインに住んでいた時、私の恩師が、
「お金持ちより時間持ちよね。」
とよく言ってました。本当は、「お金持ちで、時間持ち」だったらいいな、と思いましたが、年を重ねるにつれ、時間がどんどん貴重に感じます。そして、スペイン人の生活スタイルの豊かさって、その時間持ちにあるのではないか、と思います。
お金と時間のバランスを見ながら、自分の経験に投資する。
本の中に、おばあちゃんにお金をあげた話が出てくるのですが、使い切れなかったそうです。私の祖母もそうでした。
ある日、70歳過ぎた私の祖母に、
「なにが欲しい?」
と聞いたら、
「なんにもいらないねえ・・。」
と言ったのです。私はまだ20歳だったので、なんて無欲な、と思いましたが、今なら、祖母の気持ちがわかります。モノが欲しいのは、まだまだ未来があって、生きるつもりだから。先が見えてる時は、もうモノなんか欲しくないのです。
とはいえ、宇野千代さんなど、確か70歳過ぎて、家を建てていたと思うので、個人差はありますが(宇野さんは特別かも)、普通の人間は、健康とか、お金で買えないものが欲しくなる年代なのでは、と思います。時々、メディアで異常に元気なお年寄りとか出てきますが、あれはめずらしいから映す価値あるんであって、みんながみんな、ああだったら、取り上げられません。
結論:老後のことばかり考えて、お金を貯め込まないで、今しかできないことに、金を使おう。
自分の人生、無茶苦茶で、これでいいのか、と思ってたけど、これでいいのだ、と思えた本。私は、最適な時期に、お金を使えたと断言できます。今からでも遅くありません。あなたも、人生の最適な時期に、お金を使って楽しみましょう。夢を叶えましょう!年取ったら、とかじゃなく、自分のできる範囲で、今やりましょう!
もしあなたが「なんか無駄にお金使っちゃったな。」と思ってるとしたら、おすすめの本です。人生、貯金だけがすべてじゃないよ。経験にお金を使いましょう!