キューバでは、お金のある人が払う
↑どこかに入るということは、私が払うということ
キューバ人におごる、またはおごらさせる、ということ、最初は本当に慣れなかった。今ならわかるけど、キューバでは、お金がある人が払って当然、みたいな空気がある(全員じゃないと思うけど)。
初めて、キューバのミュージシャンたちと一緒に出かけた時、「なに飲む?」「なに食べる?」といろいろ気を使ってくれた。まさか、最後自分が全部出すハメになるとは思わなかった(笑)!どこかのお店に入るイコール、私にごちそうしてほしい、という意味を知らなかった(だいぶ能天気だ)!
お会計の時になって、
「これ払ってね。ボクたちお金ないから。」
と当然のようにお会計の紙を渡された時は目がテン!!!女性が男性におごる?!それも全員分を????
普通のキューバ人ならいざ知らず、まさか海外ツアーに出るような人たちが、お金がないとはまったく思わなかったので、一回目はさすがに怒った。が、持ってないもんはしょうがない。高くもないし、全額出した。今までこういうことが嫌で、あまり現地の人たちと出かけたりしていなかったのだけど、キューバ人の生活や考え方を知るために、いろいろお話してみようと思ったので、これは取材費として割り切ることにする。
不思議なもので、キューバ人の生活を知りたいと思ったら、急にいろいろな展開が起こり始めた。人々が私のところにやってくるようになった。
でも、知れば知るほど、生活が楽じゃないことがわかってくる。知らなかったほうがよかったんじゃないか?と思うこともたくさんあった。
キューバに行く多くの観光客が、
「キューバはみんな楽しそうで、楽園みたいだ。」
と思う。でも実際は、生活はカツカツで、貧富の差も出てきている。
外国にいる家族からの援助や、外貨を獲得できているキューバ人は少しゆとりがあるけれど、それ以外の人たちは、余裕がなく、どうやってお金を得たらいいか、常に考えている感じ。収入に対して物価は高い。
あるキューバ人が、
「キューバは観光客のための島だよ。」
とため息まじりに言ったのが印象的だった。