キューバ人は、魚をほぼ食べない!
キューバに行って、驚いたこと、それは
「キューバ人が魚をほとんど食べないこと!」
全員に聞いたわけじゃないけど、たぶん間違いない。
「まわり海に囲まれてるのに、なんで食べないの?」
と聞いても、
「手に入らないからだよ。」
と言う。日本みたいに、魚屋がそこら中にあって、いつでも買える、というわけじゃない。魚屋がないのだ。で、どうやら、遠いところに行けば魚は売ってるらしい、ということまでは確認できた。でも高いらしく、やっぱりそうそう買えるものではなさそう。
なので、基本的にレストランでしか、魚料理を見たことがない。ランゴスタ(伊勢エビ)もレストランにしかない。どうなってるんだ、キューバ?!
というわけで、毎日肉食になる(肉食べられるだけでも、恵まれてる)。スイスでもそうだったけど、魚がなくて、毎日肉食ってすごくつらい。しかもキューバは、鶏肉が手に入らないと、選択肢は、豚肉一択。ぜいたくだってわかってるけど、飽きるんだよね!
どうしても魚介を食べたくなったら、レストランに行くしかない。先日は、パリ経由で帰る予定だったので、キューバ人には絶対内緒だけど、毎日、「パリに戻ったら、あれ食べよう!」「おいしいケーキ食べよう!」とあれこれ考えながら、暮らしていた。キューバにいると、食べ物のことばかり考えてしまう。そして私はキューバを出て、おいしいものを食べられる。なんか申し訳ないと思う。
「ムール貝を食べる」というのも、ずっと決めていて、それでパリで走りこんで、LEONに行ったのだった。
ある時、どうしても魚が食べたくて、ハバナでキューバ人男性と一緒にレストランに入った。
「人生で初めて魚食べるよ。」
と突然、彼はカミングアウト。ウソでしょ、ウソだよね?!
「だから、今日は記念すべき初めての日だよ。」
彼は20代後半で、海外にも仕事で何回も行ったことがある。だから魚を食べる機会は絶対にあったはず。それでも食べたことがないのは、単に「人生で魚を食べたことがなかったので、食べようとは思ったことがない。」ということらしい(驚)!
人生初めての白身魚のグリルを、「おいしい」と言って食べていた。キューバ人と一緒にいると、お母さんみたいな気分になってきて、
「いいからもう、どんどん食べなさい!」
と言いたくなってくる。
なんか、おいしそうに食べてるのを見てたら、もうそれで自分は満足。あれ?なんかこれってなにかに似てる・・?と思ったら、これって年上の男性が、若い女性にごちそうするのと同じなんじゃない?
キューバじゃ、私が男性なのだった。