コロナの自粛生活が、スペインの生活とちょっと似ている件

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キューバから戻って、自主的に自宅にこもって一ヵ月以上。いい加減疲れてきてもいるけれど、家の中で踊ったり、書いたり、モノを作ったり、料理したり、毎日とにかく忙しい。あっという間に夜になる。

先日、小山薫堂さんがいいことを言っていた。
「Stay homeではなく、Enjoy home。」
ほんとその通り。今こそ生活をエンジョイする能力が必要。

久しぶりにスペイン時代のお友達が電話をくれた。
「なんか、今ってスペインの生活に似てません?」
そうそう、そう思ってたところ!と、お互い妙に納得してしまった。

スペインの生活ってなに?ってことだけど、実はスペインと言っても、住んでるところで全然違う。私はアンダルシアに住んでたので、海外の田舎あるあるだと思うけど、

とにかく行くところがない!
娯楽がない!
せいぜい映画観るくらい!

最大の娯楽が、人と会ってカフェでお茶するか、一緒にごはん食べるってことでした・・・。どこかに行くことじゃなく、誰かとなにかをすることが娯楽。

冬とか暇すぎて、カフェで村上春樹を読み返していました。源氏物語もスペインで読破した(笑)。今でも村上春樹というと、アンダルシアの寒々したカフェを思い出します。南スペインも冬は寒いんだよ~!

マドリッドやバルセロナなど、一部の都会の一部エリアを除き、日曜は完全に店が閉まるため、どこにも行けないし、買い物もできない。コンビニもない。
このスペインの生活で、完全にコンビニに行かない暮らしが完成し、日本でも今、ほぼ行きません。必要なものはスーパーで土曜までに買っておくか、月曜まで我慢。なんか代わりになるものはないか、家で考えます。夜中とか、日曜に必要なものなんて、人生にはほとんどない。ああ、コンビニがあったらなあ~~と思うことはたくさんあったけど、なくても生きられます。

スペインでは、売ってるものが限られているので、工夫するか、代用するか、作るしかありません。そして暇はすごくある。
またまた海外あるあるですが、おかげで非常にクリエイティブな生活になります!好き嫌いあるからなんとも言えないけど、多くの人は、手芸や料理DIYなど、なんかしら、手を使う仕事を家ですると思う。結果、手先が器用になる(笑)。

思えば、昔ってこういう生活だったんですよね。自分で食べ物を作って、獲物を捕って、服を縫って、陶器を焼いて。日本人もみんな着物縫ってたはず。非常にクリエイティブな生活です。
今でも原始的な暮らしをしている人たちは、必要なものを捕って、生きることに必要な活動しかしていない。人生の目的は生きること。それでいいんだと思います。

私はアンダルシアの芸術学校に入ってたので、毎日陶器やアクセサリーを作りまくっていました。料理もしたし、お菓子も焼いたし(注:おいしいものが売ってない、甘すぎて口に合わない)、納豆菌で納豆も作っていた(これも売ってないから)!とにかく暇忙しかった。

スペインの生活で得たもの、それは暇への耐性です。暇を暇とは思わない。外の娯楽が日本のようにないので、家でできることをいろいろと見つける。
もちろん、人と会えないというところはだいぶ違うんですが、それでも今の空気感は似ています。やっと時代がスペインに追いついてきたのかも(笑)。

お金をかけて、あれこれ外に楽しみを見つけるのもいいですが、家の中でできることで楽しむ、必要なものを作り出す作業をエンジョイする。暇を楽しむ技術が必要かもしれません。スペイン人は暇の達人なのです。日がな一日、ただ日に当たってくっちゃべっていることを、娯楽だと言い張る彼らに、生き方を学びました。

今は人とも会ったり、話したりできなくてつらいけど、生活の中に楽しみを見つける才能、小さな幸せで喜べる生活って素敵。

またスペインでは「予定どおりに物事が進まない。時間がかかる。」ということもあって、午前の部、午後の部、夜の部と、一日を3分割にして暮らしていました。各部で、用事を入れるのは1個まで。決して2個できるとは考えない(笑)。
今のEnjoy home生活でも、このスタイルを取り入れています。

生活を娯楽にする。毎日たいした生産性がなくても、それはそれでよしとする。おこもり期間に、人がどれだけ素晴らしいことをしていようとも、比べない。人は人、私は私。ダラダラしたけりゃ、それもよし。

人間の暮らしの基本に戻って、暇忙しいを楽しみましょう!
VIVA!暇の達人!