キューバのダンス学校ISAで、レッスンを受ける♪ Baila en Cuba
2016年、13年ぶりのキューバで、私は「Baila en Cuba」というイベントの、ダンスクラスに参加しました。そこには、世界中から、キューバフリーク(?!)の外国人大集合!
キューバって、日本からは丸一日かかる遠い国ですが、カナダや南米からだと、ちょっと遊びにリゾート感覚で行ける国。「去年も参加したよ~!」って人も、結構いました。・・うらやましい。日本人も数人来てて、仲良くなりました。
レッスン会場はISAという、キューバの選ばれしダンサーの卵たちが行く学校。ENAという芸術学校と同じ敷地内にあります。先生も生徒も、ISAの方々が参加してくれました♪
Baila en Cubaが用意した「Hotel Palco」はISAの近く(と言っても、20分以上歩く)。ここから毎日歩いて、学校へ通います。このホテル、ハバナ中心地からは遠いので、観光には向きません。
毎日踊るのに忙しくて、素敵なプールも入る暇なし・・
このISAとENAのある敷地、実は多くの生徒さんが暮らしている場所でもあるため、なかなか簡単に中には入れてもらえません。
ある日、門番のおじさんが突然、私たちアジア人だけに「おまえたちは中には入れない。」とエラそうに言って、入れてくれなかったりしたことがあって、ブチギレ!
「そんな差別には絶対に負けたくない!」
と、私はあの手この手でおじさんと交渉、なだめすかし(最後食べ物もあげたりして)、ようやく敷地に入れてもらったりと、とにかくセキュリティが厳しかったです。
後日、私が靴を忘れて、学校に入れてほしいと言った時も、まったく相手にされませんでした・・。ま、一言でいうと、まったく融通の利かない(失礼)、厳格な場所なのですが、イベントのおかげで、ここに外国人の私たちが入れたのでした!
※前は、ここで外国人のための語学クラスがあったようですが、今はなくなってます。キューバはちょくちょく変わりやすいので、その都度確認したほうがよいです。
ゴルフ場かと思うほど、広い敷地。
クラスは、まったくの初心者から、中級、上級と、先生のクラスが分かれていました。
私はなんだかんだ、長い年数踊っているので、上級クラスに入ることに。が、全然クラスが楽しくな~い(先生ごめん)!!!恐怖のスパルタレッスン!毎日毎日、同じ踊りを繰り返しやらされて、それがとにかく難しくて、全然振り付けが覚えられない・・。
男性と女性の先生が教えてくれてたのだけど、私たちの出来が悪すぎて、キレぎみ、いや、キレていた(笑)。そりゃそうだ。先生たちが普段教えているのは、選ばれしキューバの若いダンサーたちなんだから!こっちは、大人で、しかもダンスが好きなだけの外国人・・。
若きダンサーさんたちが、私たちのお相手をして、一緒に踊ってくれている(本当はもっと大人のダンサーがよかったけれど、この年は、10代の子たちと踊ることになった)。ごめんよ、何回も同じことやらせて・・。
ずっと怒ってる先生。
「なんで、こんなことができないの?!」
「なんで覚えられないの?上級クラスの生徒でしょ?!」
だんだん険悪になるクラス。踊るのが怖すぎる・・。なんだろう、楽しく踊るはずじゃなかったのか????なんで、お金払って、こんなつらい思いしなきゃならんのだ?ダンスって、楽しいものじゃなかったっけ?
そもそもキューバって、こんなでしたっけ?!
数日したら、男性の先生は、さじを投げたのか、まったく来なくなってしまった!途中から、先生が消える。それについてなんの説明もないって、どういうこと?!
女性の先生は、辛抱強く教えてくれたけれど、あいかわらず、みんな振り付けを覚えられない。
それにしても、なんでこんなにやっきになって、先生は教え続けているのか?
「最終日に各クラスで、ダンスを発表するからだよ。」
と。中級クラスにいた別の日本人に教えてもらった。
ウソでしょ?!聞いてないよ!!
毎日、必死で同じことばかり踊らされていたのは、最終日の発表会に向けてだったのだ。そんなことより、もっとキューバのムーブメントとか、ダンス自体を教えてほしかったな・・。それが無理なら、せめて楽しくやりたかったわ・・。
「私たちの中級クラスは、和気あいあいとしてて、楽しいよ。ダンスも仕上がってきてるし。」
と言うので、見に行ったら、上級クラスとは比べ物にならないほど楽しそうで、みんな笑顔にあふれていた。これよ、これこれ!私が求めてたのは!!
次の日から、私は上級クラスをやめて、中級クラスに移った。正直、発表会なんかどうでもいい。中級の先生は、優しい男性の先生。楽しけりゃいい、って感じで、上級の、こむずかしい振り付けとは、全然違う。
夜は毎日ライブで、昼は学校でひたすらダンスのレッスン。
最終日は、学校の中庭みたいなところで、ダンス発表会。見てるのは、学校の生徒さんと、クラスに来てる人たち、学校の関係者だけっていう、超内輪だったけど、思ったより達成感があった。大人になってから、こんなに一生懸命、発表をがんばったこと、あるっけな・・。
そしてこの日は、フィデル・カストロが亡くなる前日でもあった。
発表会の後、
「あなた、なんで来なくなっちゃったのよ~!」
と上級クラスの女性の先生に言われてしまった。あとでわかったことだけど、この先生は、ちょっとした名物先生で、フェスティバルがあると、ライブ中にダンサーとしてステージに上がって、パンチのあるダンスを繰り広げるお方。先生は私を覚えていて、毎年、「元気~?!」って言ってくれる。
でも、もうダンスクラスは行かないかな。次の年もBaila en Cubaにも行ったし、キューバにも何回も行ってるけど、キューバで受けるなら、個人のダンスレッスンだけ。
この時のISAのレッスンではっきりとわかった。
「グループレッスンなんかじゃ、絶対に踊りはうまくならない。」
グループのダンスレッスンは、フェスに来てる世界のダンスフリークと、仲良くなったり、楽しむ場所。本気で踊りを習いたいのなら、プライベートレッスンでないと、無理。分けて考えた方がよいと思う。
あと、なんなら、一度生まれ変わらないと、踊りはうまくならない。来世に期待だ・・。
どんなにがんばったとしても、キューバ人みたいなリズムの取り方や、動き方にはならないのだ、悲しいけど。
そんなことを思い知った、ISAのダンスクラスでした。