携帯電話とキューバの経済格差 

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公園でしかネットできないので、携帯持って集まります。

先日ハバナで借りたカサに、大学生の息子がいた。ご両親は、お金を数えたり、家賃の支払いのことを考えてため息をついたり、料理したり、外国人の相手をしたりと忙しくしている。が、家で見る息子は、ソファにゴロゴロして、携帯ばかりいじっている。
自分も若い頃は親に甘えっぱなしだったので、人のことは言えないけど、自分への反省もこめて、ちょっとは家のことを手伝えば?!なんて、ついつい思ってしまう(余計なお世話だけど)。

ある日、私はお母さんに聞いてみた。
「息子さんは、なにも手伝わないの?」
「あの子は勉強で忙しいから、そんな暇ないわよ。」
いつもソファでゴロゴロしてるけど・・。お母さん、暇ならありますってば・・・。

そんな息子、ある日、超ハイテンションで、
「見て!新しい携帯だよ!最新モデルだよ!これが手に入って、うれしいよ!」
と、私に携帯を見せてきた。
「へえ、そりゃよかったね。」
「これ600CUC(600ドル)もするんだよ!」
マジか!一緒にソファに座って、適当に返事してた私は、
「600ドル!!!どうしたの、そのお金?」
と叫んでしまった。
「ママが買ってくれた!」
「ほんとに?!」
「そう、買ってあげたのよね~。」
と笑顔のママ。

600ドルって、普通のキューバ人の2年分くらいの収入にあたる。日本人でもちょっと考えちゃうような金額なのに、それをポンと買ったとは!
お母さんが息子に甘いのは、世界共通。かわいくてしょうがないのは知ってたけど、溺愛ってこういうことを言うのね・・。

このお宅は、宿を貸しているので、普通のキューバ人よりお金がある。私の払ったお金の一部は、この息子の携帯代になったようだ。便座は売ってないのに(たぶん)、携帯はお金があれば手に入る。

キューバはほんと不思議な国。携帯の端末は高いし、契約料金も、キューバの収入から比べると、すごく高い。それでもかなりの人が携帯を持っている。
「なんで携帯持てるの?」
と聞いてみた。
「外国にいる家族が連絡を取りたいから、携帯を買ったり、契約料金を払ったりしている場合もあるよ。」
とのこと。外国に家族がいるか、なんかしらのコネクションがあるか。お金が入る手段、個人営業や外貨を得られる仕事をしたりしているか。それがあるかないかで、生活レベルは、かなり違ってくる。
社会主義だけど、経済格差は結構広がっているような気がした。

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